FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ルビーの気まぐれ 第九話 北の国から(4)

 羽田に着いたのは十三時過ぎだった。美奈子は自動チェックイン機で搭乗手続きを済ませ、出発口Gに入ろうとした。そのとき、メールの着信音が鳴った。
『昨日は作りかけでどうした? 今夜はイヴだからワインを買って待っている』
 川村からのメールだった。
 巨乳には勝ったと、美奈子は一瞬笑みを零した。でも、力強く携帯電話の電源を切った。頬に力を入れ、人込みをかき分けて地下のポストオフィースに走り込んだ。窓口で封筒を買い、川村の住所を書き込む。合鍵を封筒の中にしまい込み、力を入れて糊付けをした。
 美奈子は暫く封筒を見つめていた。心は既に決まっている。でも、未練が少しずつ湧き出てきた。けれども、川村の正体は分かっていた。直樹にしたように自分は実験台にされたのだと、心に強く言い聞かせ、溢れ出る思いを断ち切った。
 大きく目を開いた美奈子は封筒を窓口のおじさんに渡し、ポストオフィースを後にした。出発口へと向かうエスカレータは、明るい日差しに包まれている。まるで天に昇っていくようで、美奈子の心は既に北の空を飛んでおり、次の扉を開き始めていた。

ネット小説ランキングに投票 恋愛ファンタジー小説サーチ オンライン小説検索・小説の匣へ
スポンサーサイト

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

Keyword : 小説 恋愛 ルビー

コメントの投稿

Secret

有り難うございます。

「鬼藤千春の小説」のブログへ訪問いただきまして、有り難うございます。今後ともよろしくお願い致します。
プロフィール

夢野広志(むのひろし)

Author:夢野広志(むのひろし)
小説の夢見へようこそ♪
オリジナルの恋愛小説を書いています。
不思議な宝石の物語を掲載中です。

目次
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
ランキング
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。