ルビーの気まぐれ 第九話 北の国から(4)
羽田に着いたのは十三時過ぎだった。美奈子は自動チェックイン機で搭乗手続きを済ませ、出発口Gに入ろうとした。そのとき、メールの着信音が鳴った。
『昨日は作りかけでどうした? 今夜はイヴだからワインを買って待っている』
川村からのメールだった。
巨乳には勝ったと、美奈子は一瞬笑みを零した。でも、力強く携帯電話の電源を切った。頬に力を入れ、人込みをかき分けて地下のポストオフィースに走り込んだ。窓口で封筒を買い、川村の住所を書き込む。合鍵を封筒の中にしまい込み、力を入れて糊付けをした。
美奈子は暫く封筒を見つめていた。心は既に決まっている。でも、未練が少しずつ湧き出てきた。けれども、川村の正体は分かっていた。直樹にしたように自分は実験台にされたのだと、心に強く言い聞かせ、溢れ出る思いを断ち切った。
大きく目を開いた美奈子は封筒を窓口のおじさんに渡し、ポストオフィースを後にした。出発口へと向かうエスカレータは、明るい日差しに包まれている。まるで天に昇っていくようで、美奈子の心は既に北の空を飛んでおり、次の扉を開き始めていた。
『昨日は作りかけでどうした? 今夜はイヴだからワインを買って待っている』
川村からのメールだった。
巨乳には勝ったと、美奈子は一瞬笑みを零した。でも、力強く携帯電話の電源を切った。頬に力を入れ、人込みをかき分けて地下のポストオフィースに走り込んだ。窓口で封筒を買い、川村の住所を書き込む。合鍵を封筒の中にしまい込み、力を入れて糊付けをした。
美奈子は暫く封筒を見つめていた。心は既に決まっている。でも、未練が少しずつ湧き出てきた。けれども、川村の正体は分かっていた。直樹にしたように自分は実験台にされたのだと、心に強く言い聞かせ、溢れ出る思いを断ち切った。
大きく目を開いた美奈子は封筒を窓口のおじさんに渡し、ポストオフィースを後にした。出発口へと向かうエスカレータは、明るい日差しに包まれている。まるで天に昇っていくようで、美奈子の心は既に北の空を飛んでおり、次の扉を開き始めていた。
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