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1カラットの奇跡 第八話 助手席のジハード(4)

 車は大阪城の大手前駐車場に着いた。そして、三人は大手門を通って、黒松の続く道を歩いている。その道の脇にある多聞櫓と干貫櫓は、その近くの濠の緑と紅が茂る石垣と程よく調和して、桃山の昔をほうふつさせているようだった。
 三人は桜門を過ぎていた。その門の正面には、荘厳な天守閣が現れた。その屋根には金のシャチが、太陽の光を満身に受けて、強い黄金の輝きで辺りを照らしている。そして、その屋根の外縁に潜む金箔の虎も弱い黄金の光を振り撒いている。その見事な黄金の光のハーモニーは多くの観光客を優雅に包んでいた。
 三人は天守閣の見学を終えた。そして、極楽橋を渡って西の丸庭園の一角にある茶室の前まで、内濠を眺めて歩いていた。
内濠の水面を通して望む天守は、寂しく語りかけるようで、一味違った趣が広がっている。
 内濠超えに煌く天守を、香織は写真に撮っている。そして、二人も記念に天守をバックに写真のワンカットに入った。
和也は優希の肩を左手でしっかりと寄せて、彼女も右手を後ろから回している。二人は互いにVサインをレンズに送って、幸せそうに微笑んでいた。
 香織も和也と記念に写真を撮ることにした。
渋々と了解した優希は、香織からカメラを受け取って構図を合わせている。
二人は直立不動で並んで立っていた。そして、優希が「はい、チーズ」と言った瞬間、香織は急に和也の左腕を抱えて、嬉しそうな顔をしてVサインを出した。優希の指は勢いで止まらず、そのシーンは写真に納まった。
 優希は大声を上げて怒って香織に向って走り出した。
香織は笑って悪戯のように舌を出して、茶室の裏へ逃げた。そして、二人は茶室を何周も右に左に回って遊んでいる。
和也は、それを眺めて笑っていた。

 三人は大阪城を出ってミナミの道頓堀沿いを歩いている。女達は走り回った影響で、腹を空かせた狼のように、お好み焼き屋を物色していた。
女達はJ?POPの流れているオシャレな店の前で立ち止まった。そして、女達は足早に狭い階段を下りた。
和也も客で賑わっている店内にゆっくりと続いた。
 女達はあっという間に、ミックス焼きをオードブル代わりに飲み込んだ。モチ・ベーコンにも手をつけていた。そして、最後はデザート代わりにチーズコーンを頬張った。
和也は呆気に取られて、ブタ玉を片付けるのがやっとだった。
 満足した女達は壁に飾ってある芸能人の色紙を指さした。そして、どうでも良い芸能話に花を咲かせて盛り上がっていた。
和也は、ゆっくりとマルボロに火をつけて、その話しの流れを静かに見守っていた。
 二時間後、漸くその話も終わって、三人は店を出た。駐車場に向って、人通りの多い商店街を歩いていた。そして、三人の前にはタコ焼きの屋台が現れた。
女達はハモるように、「タコ焼き買って!」と笑顔を出した。
和也は渋々と一パックずつを女達に与えた。
 三人が駐車場に着く頃には、それらのパックは綺麗に空となっていた。そして、三人は車に乗って梅田の第七ホテルへ向った。
そのホテルの一階のレストランでは、おやつバイキングをやっていた。女達は八種類のケーキを全てテーブルへ運んだ。そして、あっさりと紅茶を飲んで片付けた。さらに、アイスクリーム、ヨーグルト、プリンも華麗にテーブルの上からその姿を消した。
和也は、女達の胃袋に仰天して、呆れてマルボロに火をつけて眺めていた。
 夕方になって、三人は店を出た。そして、食後の運動代わりに、梅田のデパートを巡っていた。
女達は買いもしないバッグやヒールを手に取って、目を輝かせていた。時折、優希は和也に目でサインを送っている。
しかし、和也は少し距離を取って反対側を向いて、目を合わせないようにしていた。何故なら、零の多いその商札は、彼の扱える代物ではないからだ。
七時を過ぎて、三人は梅田を出た。そして、車で関空に向かい出した。

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