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1カラットの奇跡 第十話 ペンダントよ、青く光れ!(2)

 二人はレストランを出た。雪は止んでいて路面はまだ濡れている。しかし、積もるほどではなかった。
和也は急いで首都高に乗って羽田に向っている。優希が乗り遅れるようなことがあれば、彼は格好がつかない。何故なら、彼女は、その翌朝から店に出なければならなかった。
 車は急いで駐車場に入った。そのとき、車の横から不意に赤い車が飛び出した。そして、和也は慌ててブレーキを力強く踏んだ。間一髪セーフだった。
二人の体は、フロントガラス近くまで大きくのめったが、何とか踏ん張った。しかし、助手席のシートの下から、黒く丸まった布が優希の足元に顔を出していた。
 車がスペースに入って、優希が降りようと下を向いたとき、彼女はその黒い布切れを見つけた。そして、不思議そうに取り上げて、その布を広げた。それはショーツだった。
「何で、こんなものが、ここにあるの!」
優希はそれを和也の前に突き出して怒っている。
その布を見た和也は、目を丸くした。
「いや、俺は知らん。優希のか?」
「ふざけないで! 私のとは、メーカが違う。それに、この地中海の夜のように甘い香りは、D&Zのライトブルーの小瓶の香水ね。分かった、香織だね。私、香織と大阪のホテルで同室だったから、分かるの。それに、このショーツの形も見覚えがある!」
優希は鬼刑事のように和也を厳しく追及している。
「そうか。ほら、大阪の帰り、駅まで乗せたから、そのときに忘れたのだろう」
和也は大浜のときだなと思ったが、必死にとぼけるしかなかった。
「とぼけないで! どこに、唯送ってもらっただけで、ショーツを車に忘れていく馬鹿女がいるの!」
「ヒータを入れ過ぎていたから、きっと暑かったのだろう」
和也は意味のないことを口走るしかなかった。
「往生際が悪い! 私のこのシートの上で、二人で何をやったの。ショーツを脱ぐようなことをやったのね。そうでないと、こんなものを忘れるはずがないよ。動かぬ証拠だね。あー、汚らわしい!」
優希の怒りはエベレストの頂上に達している。
「待て、俺を信じろ! 天地神明に誓って、彼女とは関係がない。この目を見てくれ」
和也は真剣な眼差しで優希を見つめた。
「何を信じろというの! こんな汚いものを見て。貴方って最低だね。何よ、こんなもの!」
優希はショーツを力強く和也の顔に叩きつけた。
「わっ、待て。焦るな。俺の話を聞け」
「もう、いいの。それに、これもいらないね!」
優希は指輪の箱を和也の胸に放り投げた。そして、彼女は土砂降りの涙を流して人込みをすり抜けてターミナルに向った。
和也も必死に優希の後を追いかけている。
しかし、優希はパニック状態だった。和也の話を聞く余地などはなかった。彼女は最後に平手打ちを彼にした。そして、逃げるように出発口Gへと姿を消した。
大衆の注目を一身に浴びて、和也は呆然とターミナルの床に立っていた。そして、唯天井の光を見つめていた。

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テーマ : オリジナル小説
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オリジナルの恋愛小説を書いています。
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