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1カラットの奇跡 第十話 ペンダントよ、青く光れ!(4)

 和也は自宅に戻っていた。風呂から上がって、彼は缶ビールの栓を抜いた。そして、優希にどうやって誤解を解くか、じっくりと考えていた。
和也は携帯を取り出して優希に電話を掛けた。しかし、彼女は電源を切っており通じなかった。仕方がないので、彼はメールを打つことにした。

『優希へ。俺も前に一回、お前のことを誤解した。だから、あまり強くは言えない。でも、俺を信じてくれ。彼女とは何もない。あれは、彼女の悪い悪戯だ。大阪でも悪戯を楽しんでいただろう。信じて貰えない辛さが、骨身に染みて分かった。あのときのお前の辛さが、分かったよ。俺は優希を愛している。せめてもう一度だけ、何かチャンスをくれ』

 右手でペンダントを握り締めて、和也は振り絞るように願いを込めた。
すると、ペンダントは、その願いに反応するように青い光を放った。その光は窓の外の赤い星に跳ね返って佐世保の方向へ飛んだ。
その光の行く先を見ていた和也は、後のことは天に任せることにした。そして、彼はゆっくりとベッドに入って眠った。

 その翌日の朝は、和也の心とシンクロするように、一番の寒さだった。彼は冷たい風にさらされて公園の脇を歩いている。その緑は枯れ落ちて、墓場のような寂しさを彼は感じていた。
 和也は何時ものカフェに辿り着いた。そして、彼の体は温まって、少しほっとした。やはり、その場所が彼に取っては一番安らげた。彼の傷ついた心を癒してくれる唯一の空間だった。
和也は暖かいラテを飲んで凍えた体をほぐしていた。そして、マルボロに火をつけて何気なく携帯を開いた。
そこには、メールの着信が一件あった。それは優希からだった。入学試験の結果通知を開くように、どきどきしながら、メールの本文を和也は読んだ。

『和也へ。昨日は取り乱してごめんなさい。そうだね。可哀相だから、もう一度だけチャンスをあげる。お正月ではなく、仕事が終わったら、年末にすぐ佐世保に来てね。そして、私を最高に楽しませてね。そうしたら、あの指輪をはめてあげる。でも、まだ許した訳ではないからね。全ては年末よ。最後の試験がんばってね♪』

 和也は心の中で、「ヨッシャー」と叫んで携帯を閉じた。そして、その場で立ち上がって元気な笑顔で天井を見上げていた。
和也は周りの視線に気がついた。そして、それを誤魔化すように壁の時計に目をやった。
その時計の針は出社時刻を回っていた。
和也は我に返って不味いと思った。そして、慌てて店を飛び出して会社へ向った。

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