ルビーの気まぐれ 第七話 トロイの木馬(1)
壁際から天井を伝って落ちるほのかな黄色い光は、火照った体を夜霧で包むように冷やしてくれる。空調の風も頬をかすり、森林を漂う気分だった。ゆったりとしたジャズの音楽は体を緊張感から解放し、夢の中へと誘い込む。年代物のこげ茶の分厚いカウンターの板は気持ちを下から強く支えるようで、心強かった。
美奈子と川村は一時間くらいでレッドスターホテルを出た。新宿駅の南口まで戻り、WINS裏の古いビルの地下にあるBARに入った。川村の行きつけらしい。
店内は薄暗く、年老いたバーテンが白いワイシャツに黒い蝶ネクタイを締め、十人ほど座れる長いカウンターの向こうに立っていた。バーテンの後ろにはぎっしりとボトルで詰まった棚があり、リキュールとウォッカのビンが鈍い銀色の光を放っている。自然と乾いた喉が誘われた。にっこりと微笑みながら、バーテンはシェーカーに氷を入れ始めた。
手前の席では、鮮やかな青で輝くカクテルを飲みながらカップルが肩を寄り添っていた。カウンターの上にある小さなローソクの炎がドアからの風で僅かに流される。震える光の中で、かげろうのように微笑み合う若い男女の顔が揺れていた。
美奈子と川村は奥の隅の席に腰を下ろした。川村が「いつもの」と、バーテンに低い声を掛ける。バーボンがすうっと出された。置いたときの小さな余韻で、ロックグラスの中の氷がころんとずれ落ちた。ほのかに踊り始めたバーボンは、渋めの茶の中で金の帯を放つ。一瞬の囁きだった。
鷲の絵柄のボトルの栓をバーテンは大事そうに締め、ゆっくりと後ろの棚の奥にしまった。促すように、バーテンは美奈子の目を見つめている。
「私はレッドアイ」
シェーカーのテンポ良い音色が響き終わると、淡いピンクに揺れる細長いグラスが美奈子の前に出された。かすかに気泡が底から上っており、涼しさを誘うようだった。
川村はロックグラスを持ち、ピンクのグラスへ近づけ、音を鳴らした。風鈴のように爽やかな香りが流れた。
「お疲れさん。しかし、チャラになるとは思わなかった。制作費も見積額で頂くことになって肩の荷が下りた。オヤジの喜ぶ顔が目に浮かぶ」
「川村さんのお力には感激しました」
美奈子はレッドアイに口をつけ、笑顔で川村を見た。
バーボンを一気に飲み干した川村はバーテンに目をやった。
「いや、星野さんはお前の顔を見るなり、上機嫌だった」
「あっは、そうですか」
美奈子は少し照れながら下を向いた。ツーショットで、川村と酒を飲むだけでも夢のようだった。しかも、川村に褒められて心が舞い上がり、胸の中に赤いバラが咲き出した。
川村はマルボロに火をつけ、大きく煙をカウンターの向こうに吐き出した。
「お前が最初から謝りに行けば、大騒ぎにならなかったかもしれない。クリスマス企画もよろしくと、次も出す気になっている」
「でも、プロデューサーが話を決めてきた後だから、出しゃばるのも不味いかなと思いまして・・・・・・」
美奈子はレッドアイを口に含み、ローソクの炎を見つめた。
マルボロを吸い終わった川村は静に灰皿の中で火を消し、美奈子を見た。
「オヤジが先陣を切ると、いつも大袈裟になる」
「プロデューサーは私たちには厳しいけれど、お客様には弱腰ですよね。次は私が先陣を切ります。プロデューサーには引っ込んで貰わないと、すぐに騒ぎが大きくなりますから」
グラスをカウンターの上に置くと、美奈子は胸をつんと出した。
バーテンが差し出したバーボンを一口飲んだ川村は、美奈子の顔を覗き込んだ
「調子に乗るな! 今回の件は、三百円で喜んだ客たちがそのままリピータとして残り、売上が三倍増となった。だから、星野さんの実質的な損害はない。むしろ、お釣が来るくらいの利益だ。お咎めなしになったのも結果オーライなのだ」
「済みません・・・・・・」
美奈子は肩を窄めた。ちょっと天狗になった自分が恥ずかしくなった。世の中、何かからくりがある。いきなりチャラとは可笑しいとは思ったが、川村の話を聞いて納得した。
でも、そうすると、直樹の死は何だったのだろうか。きっかけは、損害賠償の件でクビになったことが半分以上を占めている。大騒ぎにならなければ、直樹はいつものように美奈子の机の向こうで笑顔を零していただろう。沙織にはとても言えない。そう思うと、美奈子は何だか胸が痛くなってきた。
堪らなくなった美奈子はレッドアイを飲み干した。胸のつかえが取れ、気分がすうっとした。山中のこともつかえの一つだった。でも、パイプの詰まりを大きな吸盤で吸い出したように、全てを忘れた。
だんだんと、美奈子の心の中ではそら豆が育つように欲が伸びてきた。一気に畳み込みたい。川村の為に用意した訳ではないが、勝負用の下着を幸いにも身に着けている。黒いTシャツとミニの下には真っ赤な戦闘服を忍ばせていた。チャンスだと、にやりと瞳を動かし、トロイの木馬作戦を思いついた。
「オジさん、次はブラディー・メアリー!」
グラスを右手で持ち上げた美奈子は、にっこりとバーテンを見た。
咄嗟に、川村は美奈子の右手を抑えた。
「おい、お子様はレッドアイにしておけ。メアリーはウォッカベースだから、危ないぞ」
「平気だもん。それに、私は子供じゃない!」
美奈子は頬を膨らませ、川村の顔を睨んだ。
右手を放した川村は不機嫌そうな顔でバーボンを飲んだ。
「悪かった。そうむきになるな。ちょっと心配しただけだ」
血のように鮮明な赤が踊るグラスが美奈子の前に出された。縁に掛かった黄色いレモンも艶やかだった。
美奈子はメアリーを口にしながら川村の顔を覗いた。
「ねえ、川村さんは彼女いるの?」
「何だ、いきなり」
マルボロを吹かしながら川村は目を丸くし、むせ込んだ。
美奈子は目をそらしながら呟く。
「ただ、聞いただけ。気になるから」
「そんなものはいない」
グラスのバーボンを空けた川村は次を頼んだ。
美奈子はグラスを両手で転がしながらメアリーを見つめた。
「でも、可笑しいな。渚がね、日曜日の新宿でよく川村さんを見かけるって。しかも、若い女子大生と腕を組んでいただって」
「お前らはストーカーか? 日曜くらい俺の自由だろう。それに、渚が見たのは妹だ。しかも、一回だけ。ヤツも小人みたいな彼氏を引きずっていた」
強張った顔で、川村は美奈子を見た。
メアリーをごくっと飲み、美奈子は疑問の声を上げた。
「へ~え、妹さんだったの。随分、年が離れているのね?」
「女子大生は言い過ぎだ。お前と同じくらいの年だ」
バーテンから出されたバーボンに川村は視線を合わせた。
川村の顔を覗き込み、美奈子はひょうきんな顔を作った。
「でも、腕を組むのは怪しくない?」
「何が怪しい。ヤツが勝手に組んできた。ヤツが小学生のとき両親を亡くし、牧場をやっているおじさんの家に預けられ、俺はすぐに東京へ出てしまったから、寂しかったのだろう」
ゆっくりと顔を上げた川村は、正面の棚にあるリキュールのボトルをしんみりと見つめていた。
「私も腕を組んじゃおうっと。一人っ子で、小さい時に父を亡くしたの。潜水艦の事故だったわ・・・・・・。だから、いいでしょう。ずっと寂しかったから」
「おい、よせ。こんな所で恥ずかしいだろう。それに、お前は妹ではない」
川村は慌てて腕を振った。
美奈子は力強く川村の腕にしがみついた。そこで、振り解かれたら、作戦が終わってしまう。後には引けないと、力を搾り出しながら頑張った。小さな胸も擦りつけてみた。全ての気持ちをぶちまけるように、大きな声で川村を見つめた。
「じゃあ、彼女にして! それなら、問題ないでしょう。あちらの二人も幸せそうに、腕を組んでいるから」
「はああ? 何か話が飛躍し過ぎてないか」
川村は固まった。
涙目で、美奈子は川村の黒い瞳の奥を覗き込んだ。
「いいの、お願い。ご褒美に、今夜だけは彼女の役を演じさせて。腕を組むだけなら、たいしたことないでしょう。これくらいで、明日からバリバリ働く元気が湧いてくると思えば、会社の為にもなるわ」
「何だか良く分からない。しかし、業績が回復するなら、腕の一本くらいお前に貸してやる。但し、今夜だけだ」
マルボロを深く吸い込むと、川村は天井に煙を吐き出し、薄笑いを浮かべた。
美奈子はメアリーを飲み干しながらにやりとした。第一ステージはクリアした。心の扉は何とかこじ開けた。後は奥へ進むだけ。川村の腕を右手で抱えながら美奈子はほくそ笑んだ。
メアリーの酔いも回り出し、お花畑を彷徨うミツバチのように美奈子は浮き浮きとしてきた。血の味もほど良く、コショウの香りが飲み易さを倍増させた。美奈子は調子に乗り、数杯のメアリーをがぶ飲みし、吸血鬼の女王様の気分を味わった。ご褒美に貰った腕をどうやって味わおうかと考え込んだ。
辺りの暗闇は次第に深まり、川村の顔が回り出した。カウンターの小さなローソクの炎も回転を始め、銀河のように渦巻く宇宙の中を美奈子は泳いでいる。フィットネスのプールで、プカプカと浮かぶようで気持ち良く、川村の左腕を抱きながら自然と深い眠りに美奈子は落ちた。
美奈子と川村は一時間くらいでレッドスターホテルを出た。新宿駅の南口まで戻り、WINS裏の古いビルの地下にあるBARに入った。川村の行きつけらしい。
店内は薄暗く、年老いたバーテンが白いワイシャツに黒い蝶ネクタイを締め、十人ほど座れる長いカウンターの向こうに立っていた。バーテンの後ろにはぎっしりとボトルで詰まった棚があり、リキュールとウォッカのビンが鈍い銀色の光を放っている。自然と乾いた喉が誘われた。にっこりと微笑みながら、バーテンはシェーカーに氷を入れ始めた。
手前の席では、鮮やかな青で輝くカクテルを飲みながらカップルが肩を寄り添っていた。カウンターの上にある小さなローソクの炎がドアからの風で僅かに流される。震える光の中で、かげろうのように微笑み合う若い男女の顔が揺れていた。
美奈子と川村は奥の隅の席に腰を下ろした。川村が「いつもの」と、バーテンに低い声を掛ける。バーボンがすうっと出された。置いたときの小さな余韻で、ロックグラスの中の氷がころんとずれ落ちた。ほのかに踊り始めたバーボンは、渋めの茶の中で金の帯を放つ。一瞬の囁きだった。
鷲の絵柄のボトルの栓をバーテンは大事そうに締め、ゆっくりと後ろの棚の奥にしまった。促すように、バーテンは美奈子の目を見つめている。
「私はレッドアイ」
シェーカーのテンポ良い音色が響き終わると、淡いピンクに揺れる細長いグラスが美奈子の前に出された。かすかに気泡が底から上っており、涼しさを誘うようだった。
川村はロックグラスを持ち、ピンクのグラスへ近づけ、音を鳴らした。風鈴のように爽やかな香りが流れた。
「お疲れさん。しかし、チャラになるとは思わなかった。制作費も見積額で頂くことになって肩の荷が下りた。オヤジの喜ぶ顔が目に浮かぶ」
「川村さんのお力には感激しました」
美奈子はレッドアイに口をつけ、笑顔で川村を見た。
バーボンを一気に飲み干した川村はバーテンに目をやった。
「いや、星野さんはお前の顔を見るなり、上機嫌だった」
「あっは、そうですか」
美奈子は少し照れながら下を向いた。ツーショットで、川村と酒を飲むだけでも夢のようだった。しかも、川村に褒められて心が舞い上がり、胸の中に赤いバラが咲き出した。
川村はマルボロに火をつけ、大きく煙をカウンターの向こうに吐き出した。
「お前が最初から謝りに行けば、大騒ぎにならなかったかもしれない。クリスマス企画もよろしくと、次も出す気になっている」
「でも、プロデューサーが話を決めてきた後だから、出しゃばるのも不味いかなと思いまして・・・・・・」
美奈子はレッドアイを口に含み、ローソクの炎を見つめた。
マルボロを吸い終わった川村は静に灰皿の中で火を消し、美奈子を見た。
「オヤジが先陣を切ると、いつも大袈裟になる」
「プロデューサーは私たちには厳しいけれど、お客様には弱腰ですよね。次は私が先陣を切ります。プロデューサーには引っ込んで貰わないと、すぐに騒ぎが大きくなりますから」
グラスをカウンターの上に置くと、美奈子は胸をつんと出した。
バーテンが差し出したバーボンを一口飲んだ川村は、美奈子の顔を覗き込んだ
「調子に乗るな! 今回の件は、三百円で喜んだ客たちがそのままリピータとして残り、売上が三倍増となった。だから、星野さんの実質的な損害はない。むしろ、お釣が来るくらいの利益だ。お咎めなしになったのも結果オーライなのだ」
「済みません・・・・・・」
美奈子は肩を窄めた。ちょっと天狗になった自分が恥ずかしくなった。世の中、何かからくりがある。いきなりチャラとは可笑しいとは思ったが、川村の話を聞いて納得した。
でも、そうすると、直樹の死は何だったのだろうか。きっかけは、損害賠償の件でクビになったことが半分以上を占めている。大騒ぎにならなければ、直樹はいつものように美奈子の机の向こうで笑顔を零していただろう。沙織にはとても言えない。そう思うと、美奈子は何だか胸が痛くなってきた。
堪らなくなった美奈子はレッドアイを飲み干した。胸のつかえが取れ、気分がすうっとした。山中のこともつかえの一つだった。でも、パイプの詰まりを大きな吸盤で吸い出したように、全てを忘れた。
だんだんと、美奈子の心の中ではそら豆が育つように欲が伸びてきた。一気に畳み込みたい。川村の為に用意した訳ではないが、勝負用の下着を幸いにも身に着けている。黒いTシャツとミニの下には真っ赤な戦闘服を忍ばせていた。チャンスだと、にやりと瞳を動かし、トロイの木馬作戦を思いついた。
「オジさん、次はブラディー・メアリー!」
グラスを右手で持ち上げた美奈子は、にっこりとバーテンを見た。
咄嗟に、川村は美奈子の右手を抑えた。
「おい、お子様はレッドアイにしておけ。メアリーはウォッカベースだから、危ないぞ」
「平気だもん。それに、私は子供じゃない!」
美奈子は頬を膨らませ、川村の顔を睨んだ。
右手を放した川村は不機嫌そうな顔でバーボンを飲んだ。
「悪かった。そうむきになるな。ちょっと心配しただけだ」
血のように鮮明な赤が踊るグラスが美奈子の前に出された。縁に掛かった黄色いレモンも艶やかだった。
美奈子はメアリーを口にしながら川村の顔を覗いた。
「ねえ、川村さんは彼女いるの?」
「何だ、いきなり」
マルボロを吹かしながら川村は目を丸くし、むせ込んだ。
美奈子は目をそらしながら呟く。
「ただ、聞いただけ。気になるから」
「そんなものはいない」
グラスのバーボンを空けた川村は次を頼んだ。
美奈子はグラスを両手で転がしながらメアリーを見つめた。
「でも、可笑しいな。渚がね、日曜日の新宿でよく川村さんを見かけるって。しかも、若い女子大生と腕を組んでいただって」
「お前らはストーカーか? 日曜くらい俺の自由だろう。それに、渚が見たのは妹だ。しかも、一回だけ。ヤツも小人みたいな彼氏を引きずっていた」
強張った顔で、川村は美奈子を見た。
メアリーをごくっと飲み、美奈子は疑問の声を上げた。
「へ~え、妹さんだったの。随分、年が離れているのね?」
「女子大生は言い過ぎだ。お前と同じくらいの年だ」
バーテンから出されたバーボンに川村は視線を合わせた。
川村の顔を覗き込み、美奈子はひょうきんな顔を作った。
「でも、腕を組むのは怪しくない?」
「何が怪しい。ヤツが勝手に組んできた。ヤツが小学生のとき両親を亡くし、牧場をやっているおじさんの家に預けられ、俺はすぐに東京へ出てしまったから、寂しかったのだろう」
ゆっくりと顔を上げた川村は、正面の棚にあるリキュールのボトルをしんみりと見つめていた。
「私も腕を組んじゃおうっと。一人っ子で、小さい時に父を亡くしたの。潜水艦の事故だったわ・・・・・・。だから、いいでしょう。ずっと寂しかったから」
「おい、よせ。こんな所で恥ずかしいだろう。それに、お前は妹ではない」
川村は慌てて腕を振った。
美奈子は力強く川村の腕にしがみついた。そこで、振り解かれたら、作戦が終わってしまう。後には引けないと、力を搾り出しながら頑張った。小さな胸も擦りつけてみた。全ての気持ちをぶちまけるように、大きな声で川村を見つめた。
「じゃあ、彼女にして! それなら、問題ないでしょう。あちらの二人も幸せそうに、腕を組んでいるから」
「はああ? 何か話が飛躍し過ぎてないか」
川村は固まった。
涙目で、美奈子は川村の黒い瞳の奥を覗き込んだ。
「いいの、お願い。ご褒美に、今夜だけは彼女の役を演じさせて。腕を組むだけなら、たいしたことないでしょう。これくらいで、明日からバリバリ働く元気が湧いてくると思えば、会社の為にもなるわ」
「何だか良く分からない。しかし、業績が回復するなら、腕の一本くらいお前に貸してやる。但し、今夜だけだ」
マルボロを深く吸い込むと、川村は天井に煙を吐き出し、薄笑いを浮かべた。
美奈子はメアリーを飲み干しながらにやりとした。第一ステージはクリアした。心の扉は何とかこじ開けた。後は奥へ進むだけ。川村の腕を右手で抱えながら美奈子はほくそ笑んだ。
メアリーの酔いも回り出し、お花畑を彷徨うミツバチのように美奈子は浮き浮きとしてきた。血の味もほど良く、コショウの香りが飲み易さを倍増させた。美奈子は調子に乗り、数杯のメアリーをがぶ飲みし、吸血鬼の女王様の気分を味わった。ご褒美に貰った腕をどうやって味わおうかと考え込んだ。
辺りの暗闇は次第に深まり、川村の顔が回り出した。カウンターの小さなローソクの炎も回転を始め、銀河のように渦巻く宇宙の中を美奈子は泳いでいる。フィットネスのプールで、プカプカと浮かぶようで気持ち良く、川村の左腕を抱きながら自然と深い眠りに美奈子は落ちた。
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